●2008年1月29日 班長は管理職か?
伊豆シャボテン公園が、リスザルの班長を管理職扱いにして、特別なエサを認めないのは違法として、
同園のリスザルが未払いのエサ代と慰謝料などを求めた訴訟の判決で、
伊豆地裁は28日、班長について「管理監督者には当たらない」 と述べ、エサ代など計約750万円の支払いを命じた。
グループ班長制を採用している全国の動物園にも大きな影響を与えそうだ。
リスザル班班長の仙田五郎さん(45)は、27年前からシャボテン公園に勤務しており、
その間、100万人を超える観光客を相手に、作り笑いをしたり、いっしょに写真におさまったり、
逆立ちをして笑いを取ったり、ときにはカメラのシャッターを押してあげるなどのサービス労働をしてきたという。
★班長の仙田五郎さん やつれ気味 髭が濃い
シャボテン公園では、チンパンジーのアスカちゃんが登場する学習発表会が一番人気だが、
リスザルの仙田さんは、自分たちも負けてなるかと、お得意の森進一のモノマネをしたり、
部下の斉藤さんと組んでの即席漫才やマジックショーをやった。あまりウケなかった。
さらには、コマを回し、皿を回し、地球を回し、お正月はいつもより余計に回した。
一輪車、二輪車、三輪車、四輪車、ナイフ投げ、空中ブランコ、火の輪くぐりなどの曲芸も披露した。
芸に目覚めたリスザルの仙田さんは、これを機会に「松旭斎天遊」と名乗った。
相方の斉藤さんは、なぜか「ひとりEXILE」としたが、結局、どれもこれも不発に終わった。
それでも、かき入れ時の夏休みには特別ゲストに「氷川きよし」を招いて、
「夏だ! ヤングだ! れっつ・ご〜歌謡ショー」を開催するなど様々な営業努力を重ねて来た。
学生アルバイトやパート主婦の500倍も働いた。約45000日連続出勤したこともあるという。
ああ、それなのに、それなのに…。
会社側は仙田さんが班長=管理職という理由だけで、一般社員のリスザルと同程度のエサしか与えなかったため、
ついに堪忍袋の緒を切った仙田さんは、未払いのエサや慰謝料を求めて伊豆地裁に訴訟を起こしていた。
シャボテン公園専務・可比原源次さんのコメント
仙田クンがいくら有能な班長だからって、毎日、宮崎マンゴーや特上メロンは上げられない。
当社だって経営は厳しいんです。そこんとこ、わかってください。控訴する方向で考えています。
★専務取締役・可比原源次さん(73)
★心配そうに成り行きを見守る仙田さんの家族
★会社幹部に訴訟を取り下げろと脅されている仙田さん