2008年8月15日 北京五輪・柔道会場

    



63回目の終戦記念日なわけだが、

北京の柔道会場で異変が起きている。


五輪出場記念に会場の畳を持ち帰る選手が後を絶たないという。

男子柔道90キロ級のモロゴロ・オカピー選手(タンザニア)は、

選手村のテレビで日本の高校野球を見ていた。

負けた選手が甲子園の土を持ち帰る様子を見て、何かがひらめき、自分も真似しようと思った。

柔道経験3週間というシロート同然のオカピー選手は、当然ながら1回戦で敗退。

試合後、すかさず畳を3枚はがして持ち帰った。

以後、各国の選手が、1枚また1枚と畳を持っていくようになった。

一週間後、柔道会場から畳が消えて、板の間会場になったという。


五輪前の柔道会場


畳が消えた柔道会場


後日談

閉会式にも出ないで畳を3枚も自宅に持ち帰ったモロゴロ・オカピー選手は、

すっかり日本びいきになってしまい、タタミ生活を始めたという。

オカピー選手の自宅は、牛糞を固めただけの粗末な家だが、床はちゃんとした畳である。

生活道具も夏の民宿並みにそろっており、タンザニアでは裕福な家庭だ。

しかし、家族26人が生活するのに3畳一間では狭すぎる。

オカピー選手の夢は、2010年のタンザニア柔道大会に出場して、新しい畳を20枚持ち帰ることだ。


タンザニアにあるオカピー選手の自宅




    

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