まえ  つぎ 日記INDEX

3月24日


沈黙の家族。沈黙の花見。肌寒い風景。

桜満開である。寒の戻りで少し肌寒いが、まずまずのお花見日和。

いつものように伊豆高原の桜のポイントはすべてチェックする。

桜の里、一碧湖別荘地テニスコート付近、イトーピア別荘地桜並木、伊豆高原駅からつづく桜並木。

しだれ桜が美しい135号線「高原の湯」向かいの坂道。

蓮着寺付近と伊豆急別荘地桜並木。奥野ダムを囲む桜の遊歩道。すべて満開。

ソメイヨシノは、年々、花色が白くなっていくような気がする。今年は何とか病にやられた木が多いらしい。

枝が細かく分かれ絡み合って、鳥の巣状態になっているのを随分見かけた。

花見の宴会は、家族や友人同士だろうか7〜8人のグループが多い。


そんななかに親子3人で小さな宴会を開いている家族がいた。

満開の桜からずっとずっと離れた場所。そこからでは桜は何も見えないはずだ。

しかも斜面に向かって、人々に背を向けるようにして座っている。

喧噪が嫌いなんですか。桜を見たくないんですか。5〜6歳の男の子が黙々とコンビニのおにぎりを食べていた。

パパは片手に缶ビール。じっと空を見上げている。女性週刊誌を読みふける若いママ。不思議な家族だ。

なぜか気になったので遠くの桜を眺めるような素振りをして、

15分ほどその家族を見ていたが、その間、まったく会話はなかった。3人とも笑顔すらない。

食べる子供、空を見上げる父、週刊誌を読む母。てんでんバラバラ。自分がしたいことをするだけ。

沈黙の家族。沈黙の花見。あのう、楽しいんですか? それ、新しい花見の形ですか。

●いつも謝っている「うららかの旦那」


またも会話のないカップル。大人の約束事。

不思議な家族とあちこちの桜を見たので空腹。紅茶の店でランチ。

有名芸能人がここの「煮込みハンバーグ」を推薦していたらしい。とろけるような食感。

じっくり煮込んだ旨さが忘れられないとのこと。この店は自宅から徒歩7分。紅茶を飲みに良く来るが食事は初めてだ。

休日の花見時、ほぼ満席。

若いカップルが多い。ここでも会話はほとんどない。男が彼女の気をひくように、ひと言ふた言しゃべりかける。

彼女、ひと言ふた言、返す。以後、ず〜と沈黙。ひたすら沈黙。

そのうち、ふたりとも携帯電話を取り出してメールのチェックをはじめる。もう携帯に夢中。

目の前に相手がいることすら忘れてるみたい。

次々と客が来る。マスター大忙し。ウェイティングの客が並び始める。

例の携帯夢中カップル、とうに食事が終わっている。

普通なら混んでいる店の状況を察して、食事が済んだら早めに席を立つんじゃないか。

彼らには、そんなこと関係ない。ひたすら携帯。ただただ携帯。

温厚なマスターの代わりに蹴飛ばしてやろうかと思った。あれでもふたりは仲がいいんだよね、きっと。バカ!

一度でいいからサラリーマンが押し寄せる昼時の食堂に行ってみなよ。

食事が済んだらパッと席を立って順番待ちの客と交替していく。これが混んでる店での約束事。

世の中には、目に見えないルールがたくさんある。それを守らない無神経な人間を「田舎者」と言う。



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