●3月03日

雛祭りである。

ウチは何か季節の行事があるとケーキを食べる。
理由はないが3人とも甘いものが好きだから。今回は、私のオゴリ。太っ腹だ。
いつものケーキ屋さんで6個買う。2060円。支払いする。60円足りない。
3人ともその60円がない。ポケットを探してみるが、どこにも60円は、ない。

あきらめてケーキ5個にする。3人で5個。微妙だ。きっとエライことになるぞ。
あのさ、60円オマケしてくんないかなあ。いつも買ってるでしょ。
60円がなくて3人ともすごく悲しそうな顔してるでしょ。わかってる。
「いいですよ、お客さん。こんど持ってきてもらえば。はい、6個、どうぞ」。
私がケーキ屋なら、こう言うな。絶対に言う。必ず言うぞ。

私が1個食べる。妻＆妹はふたりで3個を分け合う。4個が瞬く間に消えた。
電光石火の早食いである。さあ、問題の1個残り。どうする。
私のオゴリなので「これは私が食べる！」。力強く宣言する。
1個残ったケーキの箱に女ふたりの熱い視線。妻は「いいなあ、いいなあ」の連発。
妹は妹で箱をのぞいては「くれないかなあ、くれないかなあ」。

あまりにウルサイので「食べろよ、やるよ」。0.03秒で残りのケーキは消えた。
電光節句のケーキ早食い競争。実に醜い雛祭りである。