●1.23
友人の誕生日。私がお気に入りの人だ。
前もって予約しておいたバースデーケーキを手渡した。
何か気の利いたプレゼントをと思ったが、甘いモノが好きな人なのでケーキにした。
注文のとき、ケーキ屋さんがローソクは何本ですかと聞いた。要らないと答えた。
私は想像する。丸いケーキの上にローソクが林立し、炎の塊が揺れるのを。
ケーキに立てるローソクは30本までだろう。それ以上は息苦しい気がする。
たとえ一本一本の炎に、その人の過去が映し出され、喜怒哀楽が見えても、
30本以上の過去はあまり見たくない。
なぜなら誕生日は始まりであると思うからだ。その人がこれからどう生きるか。
まだ見ぬ明日の姿を、生を受けた記念日に想像してみたい。
その人はとても魅力的だ。きっと素敵な人生を歩むに違いない。
あなたの明日を祝う日、ハッピー・バースデー!
2003年1月23日、ローソク、34本。