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●8月21日(木):星の歌手
坂本九、西郷輝彦。ご存知ですよね。 まずは、坂本九。一世を風靡した1960年代のアイドル・ニキビ歌手。 上を向いて歩きながら、スキヤキを食べる。ちょっと変わった人だった。 人なつっこい笑顔でお茶の間の人気を独占した。 「明日があるさ」「悲しき60歳」「涙くんさよなら」「幸せなら手をたたこう」。 きら星の如く並ぶヒット曲。意外に押しつけがましくない激励歌。 もっとも、カラオケで歌うには相当な抵抗があるけど。 「見上げてごらん夜の星を」(作詞・永六輔、作曲・中村八大)
その頃、日本は「ささやかな幸せ」すら手に入らない人々が大勢いた。 それでも懸命に働き、まっとうな夢を持ち、生きることに真剣だった。 生活は楽ではなかったが、家族はひとつにまとまり、なんとか食べていけた。 日本経済は緩やかに右肩を上げ始めたが、まだ金に溺れていない節度ある時代。 NHK「夢で逢いましょう」のビデオ。九ちゃんは、確かに上を向いて歌っていた。 坂本九。1985年8月12日、星になった。 ● 西郷輝彦。彼は手を叩きながら、歌い、踊る。「星のフラメンコ」(作曲・浜口庫之助)
作曲家・浜口庫之助は、あの時代の天才だった。間違いない。 バラが咲いた(マイク真木)、夕陽が泣いている(ザ・スパイダース)、 花と小父さん(伊東きよこ)、愛のさざなみ(島倉千代子)、 夜霧よ今夜もありがとう(石原裕次郎)、真っ赤な太陽(美空ひばり)。 ハマクラによる名曲の数々。すべてヒット・オン・パレード! 西郷輝彦、橋幸夫、舟木一夫。黄金の御三家、本家本元である。 橋幸夫は股旅路線、舟木一夫は青春学園モノ。西郷輝彦は当時のおしゃれPOPS路線か。 なにしろ西郷には、ハマクラがついていたからね。 いきなり「星のフラメンコ」だもん。「星娘」だもん。負けた。 ● それにしても当時の歌詞はすごい。あきれる。キミは、ボクの、心の星! 死んだって、そんなこと、言えないっす。でもね、でもね、 こうした「歌謡曲」を通俗的とか下品とか言って嫌う人がいますが、 私は、そんな通俗的なアナタが、大嫌い。
60年代の懐かしい匂いが、風景が、人々が・・・。 歌は世に連れ、世は歌に連れ、ですか?
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