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●8月26日(火):冷夏のおまけ
昨年まで白薔薇の芳香が鬱陶しいくらいに満ちていた庭。 いま、庭に咲く花はとても少ない。閑散。 5月初旬、思い切って芝生をすべて剥ぎ取り大改造に着手した。 なるべく花を減らして緑の葉を愛でるシンプルな庭に変えた。 グリーンリーフ・ガーデン。ま、手入れが簡単ということもありますがね。 種類の違うギボウシをメインに、ワイルド・ストロベリーをあちこちに散らし、 石の通路に沿って両側に玉竜(竜のヒゲ)を植えた。 和風と洋風のクォ−ターといった趣か。早い話が中途半端ってことですね。 ↑何か物足りないので緑と白と薄桃色の葉がきれいな初雪かずらを、 ケースごと買って来て、数カ所にブロック単位で植え込んだ。 1センチほどの小さな葉が、まるまると太った濃緑ローズダリスを、 取り囲む様はおもちゃの兵隊のようで愛らしい。 初雪かずら。ネーミングと違って暑さにも強い。ぴんぴんしています。 ↑ワイルド・ストロベリーの繁殖力は旺盛だ。 我が物顔で四方八方に蔓を伸ばし、勢力拡大に余念がない。 小さな実は、酸っぱい。緑の葉と赤い実のコントラスト。 本格的な収穫は来年かな。8月末現在、70株。 ↑自然石が足りなくなったので仕方なくホームセンターから敷石を買ってきた。 単純にまっすぐに並べて「思索の小径」が5m。あはは。未完成。 これ以外にもムーンストーンという半円形の石を80枚。通路に使用した。 秋になったら軽トラを借りて河原に石を拾いに行こうかな。 ↑改造から3ヶ月。ようやく剥き出しの土が緑に覆われて庭らしくなった。 7月。大雨のたびに土が流れておろおろ。芝生の頃はこんな心配は無用だったのに。 しかし。芝生の雑草取りからは開放された。ほっ。 ↑南側の一角。テラスライムが演出する夏の光と影。 ↑白小花の群落。朝日がまぶしい東の庭にふさわしい清涼感。 ↑風に揺れるミント。主役ギボウシとは相性が悪いので大幅に整理縮小。 ↑全体の色調に不釣り合いなクレマチス。己れの色を恥じてこっそり咲いていた。 ↑バラの代わりに花の主役に躍り出た白花クレマチス。うっとり。 ↑領土確認の会議を開いているギボウシ三大王家。 クフ王、カーフラー王、メンカウラー王。お前たちはピラミッドか。 来年はこの1.3倍の大きさになると思う。袖触れ合うも多生の縁だが、 領土をめぐっての内戦勃発は避けられない見通しだ。AP通信。 ↑ピッキング中の泥棒ミツバチ。鼻の頭は花粉だらけ。言い逃れ、できないよ。 ↑「緑の氷」という名の個性派ギボウシ。 ともすれば主役を食ってしまうので、少し離れた場所に植えてある。 ● ギボウシやその他のグランドカバー類は、涼しい場所を好む。 シミ・ソバカスの元凶、強烈な紫外線が燦々。そんな場所は嫌いだ。 半日陰こそ彼らにとって約束の地。 だから今年のように冷夏で太陽の激しい洗礼を受けない夏は、 ウチのような庭は大歓迎だ。半日陰こそ冷夏のおまけ。有難い。 ● でもね。テラスから全体を眺めると、なんか隠居くさいなーと思う。 どうも覇気がない。イメージした庭ではない。何かが違う。どこが違う? 一介のギボウシに主役を任せたのが失敗だったのか。ミスキャストか? いやいや、彼の責任ではない。たかが7年ほど植物に接しただけで、 すべてを理解したような庭の主人にこそ問題がありそうだ。 緑の葉が枯れて見るべきものが何もなくなる冬になったら、 性懲りもなく第三次ガーデン改造計画に着手したい。 ● ここに紹介した植物はほんの一部。 この他にも種々雑多な植物があって、いまだ捨てられずに困っている。 かといって新しい庭にしっくり馴染むわけでもなく…。 無慈悲な新旧交代を断行できず、きょうも未完成の庭をうろつき回る。 理想の庭を求めて、アリとじっくり話し込み、ハチに追われ逃げまどい、 蝶やトンボ、コオロギと戯れながら、日々の手入れだけは絶対に怠らない。 おなじみの野鳥たちは、私が新しい長靴をはいて庭に出ると、 お約束とばかりに揶揄いのフンを、ぽたり、ぽたり。 2003年の庭は、5年後のことを考えています。 ゆっくりと、急ごう。
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