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8月27日(水):予期せぬ豊作


↓の写真、黒豆じゃありません。

冷夏で日照量が足りなかったのに、ブルーベリーがたくさん実をつけた。

予期せぬ出来事。豊作というべきでしょうか。

●昨年までのブルーベリー

私の顔色を窺い、機嫌を損ねないように申し訳程度に実をつける。

その卑屈な上目遣いが、どうにも気に食わなかった。

自分の仕事に対して創意工夫もなければ向上心もない。

ただ日々をやり過ごすことだけに汲々として小心翼々。

限界をぶち破る行動力や度肝を抜く創造力など欠片もなく、

たとえ破天荒な閃きであっても、それを試してみる勇気もない。

無意味な日々を悔い改めることもなく、漫然と時間を過ごし、

他の植物が意欲溢れる華々しい成長を遂げるのを庭の隅で傍観するのみ。

これが昨年までのブルーベリーの生活態度。まったくヤル気なし。

野鳥どもに狂い咲きかと嘲笑されようが、バカにされようが、まるで意に介さず、

いっぱいの花を咲かせ、そこから予想外の大量の結実をしてみせ、

堂々と勝ち名乗りを挙げて、誇り高き戦果を部下とともに分かち合う。

そんな気概もなく、毎年、ぼちぼちっと20個ほど頼りない実をつけるが、

赤黒く熟すのを待つ間に小狡いヒヨドリがついばんでしまい、

毎年、食べられるのは5〜6個。今年も期待していなかった。な〜んも。全然。

ヤル気のないブルーベリー。存在すら忘れていた。完全なる忘却。

それが、どうだ!

●全収穫高100ー150粒

枝が垂れ下がっているではないか。その先に黒い実が鈴生り。うん? なんだ?

あらら、たわわ! あれま! 豊年満作ブルーベリー。

嫌いなヤツだったのでロクに肥料もやらず、ほったらかしだった。

何がきっかけで「いい仕事をする」ことにしたのか? わからん。

かくしてブルーベリーは、大変化を遂げた。人が変わったのだ。

自分を変えよう。昨日とは違う自分になろうと決意したのか。

そんな大袈裟なことではなく、明日はちょっと背伸びをするぞと思ったのか。

よくやった、ブルーベリー! やる気を見せた! 突破したな! 大器晩成!

来年も頼むぜ。キミは将来有望なんだから!(手のひら返し)

もうキミのことを「ただの、いい人」なんて言わないからね。

今年のブルーベリーを見ていると、黒澤明の映画「生きる」を思い出す。

願わくば、もちっと甘くなると、うれしいけどね。

種なし葡萄・デラウェア。甘い、甘い、甘い、甘い。

ブルーベリーの酸味を挽回して余りある葡萄。

果肉と果汁が混然一体となった太陽の申し子。激しい寒暖差から生まれた珠玉のひと房。

春の雨と夏の光りが作った果糖の弾丸。

毎朝8時。カスピ海ヨーグルトに皮を剥いた薄緑色の宝石を10粒ほど入れて食べている。

午後3時。おやつ代わりに冷えた葡萄を口に抛り込む。果樹園の風が舌先で踊る。

突然ですが、アメリカ・デラウェア州はどこにありますか。

地図で場所を示しなさい。ついでに州都もお答えください。

ジョン・スタインベック原作の映画「怒りの葡萄」。主演は誰ですか?

3秒以内に・・・ブドウをひと房、食べてください。(早食いかよ!)

「クイズ=早押し」だと思ったら、あんさん、大間違いでっせ。



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