まえ  つぎ  日記INDEX

9月4日(木):九月の茗荷


カレンダーをビリッと破る瞬間。ちょっと気持ちがいい。

笑って、笑って、泣くほど笑った愉快な日々は、しっかりと記憶して、

腹の立つザラついた出来事や、くだらない時間は、ゴミ箱にポイ!

それでも破った跡が残ってるわけで、時間のカスがしがみついてるわけで。

指できれい毟り取るのもシャクなので、そのままにしてある。

こういう捨てきれない時間を上手に発酵させると、

それはそれで乙な味の想い出になったりするけど、

できれば中途半端に生きていた時間など、ざあっと洗い流したいわけで。

えい! びりっ! 冷たい8月を破り捨てた。

8月のカレンダーが「すんません」と謝ったが、いまさら遅い。

まったくもって申し訳ない。不本意です。だってオホーツク高気圧が…。(by 8月)

一方、生まれたての9月が「さあ、やるぜい!」と張り切っている。

マヌケな8月を挽回します。晴、晴、晴。連日の晴天をプレゼントします。(by 9月)

気の早い10月が、9月の肩越しにチラッと顔を出して言う。

行楽の季節。存分に遊んでおくんなさい。かもん! 高い空、高い雲。(by 10月)

カレンダーが薄くなり、破った跡が厚くなると、日が短くなる。

9月がいくら頑張って気温を上昇させても、やはりニセモノの暑さなわけで。

秋の気配はすぐそこにあるわけで・・・。

例えば、ススキの白い穂が9月をくすぐると、まさしく白秋なわけで。

風も、空も、光りも、みんな透き通って来たわけで・・・・父さん。

なのに! ウチの庭はマヌケなわけで。今頃、ミョウガが出てきたわけで。

どうしろと? ソーメンの薬味かい? ま、食べ方はいろいろだと思われ。

ミョウガを食べると忘れっぽくなる。古代伊豆の言い伝え。ふむ。

じゃ、たくさん食べて、昨日までのイヤな出来事は、全部、忘れてしまおう。

父さん、9月のミョウガは、味なヤツです。



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