●9月9日（火）：ただいま、空き家。

メジロの巣。剪定をしたあとに撮影した。

巣を覆い隠していた枝葉を切り落として、ぱちり。

巣の中は思いのほか清潔だ。程良い広さ、適度な閉塞感。

昨今の2×4工法と違って実に丹念な作りだ。匠の技が生きている。

ビニールひもが上手に織り込まれている。新素材が好きなメジロ建築家だ。

このスウィートホームで生まれ育った雛は、いま、どこの空を飛んでいるだろうか。

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ウチの庭から巣立った子供は、渋谷センター街で群れて遊ぶことは断じてない。

屯。タムロする。なんて恥ずかしい言葉だ。タムロ奈美恵か？　渋谷駐屯地か？

自主独立の精神に富んだ若者・メジロの徳三郎（19歳）は、違うぞ。

海外青年協力隊の仕事でアフリカのとある村へ赴いたが、志半ばにして挫折。

一転、コロンビアで麻薬王となるも、テキサスで牧場経営に失敗する。一文無し。

なおも懲りずにニュージーランドで羊10頭を飼うが、またもや自己破産。

現在は南極観測船「宗谷」の船底磨きのバイトをしている・・・らしい。

メジロの青年・徳三郎19歳。大志を抱いたまま、飛び続ける。

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春に新居を作り、子を成し、夏になるとあっさり家を捨てるメジロ。

絶対に同じ巣を使うことがない。もったいない。

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