まえ  つぎ  日記INDEX
5月2日:帰省トマト


伊豆高原はどこもかしこも連休大渋滞。おなじみユニーへ買い出しに行く。

お目当ては、バナナ、キウイ、トマト、アジの干物(茶干しがウマイよ)、柏もち。

普段なら15分もあれば楽々到着できるのに、なんと45分かかった。

伊豆高原はGW期間が最も混雑する。これに較べたら夏休み渋滞なんてチョロイもんだ。

うー家・御用達のスーパー「ユニー」は、ウチが伊豆に越してきた1996年にオープンした。

どちらも伊豆生活・満8年。これも何かの縁だと思ってヒイキにしている。

ゴールデンウィークに里帰りする人がいれば。迎える人もいる。

食料品売り場は大混雑。すれ違うのもままならない。レジは長蛇の列。

売り場の混雑&大渋滞に拍車をかけるのは、やはりオバサン。

ここぞとばかり買い込んだ食料品満載のカートを、右手で押し進め、左手で刺身を品定め。

と、突然! 何か買い忘れたものを思い出したのか、不意に反転するやいなや、

流れに逆行して目的地をめざす。ひたすら突き進む。 ←鮭ですか?

とうとう私のカートと正面衝突! がちゃーん!

ダメだって、オバサン! 逆行はダメだって。ムリだって! いててっ!

と、突然! こんどは買い物の流れを堰き止めてしまった。鮭からダムに変身だ。

スーパーでバッタリ友達に会ったらしい。大混雑なんか関係ない。

いきなり立ち話をはじめるオバサンAB。えらいこっちゃ、おばさん渋滞だ。

A:あらー、土屋さんじゃないの。びっくりした! 今日は、なに?

B:いや、買い物だけど。

A:あはは。そりゃそうよね。ところで土屋さん、どこか具合でも悪いの?

B:どうして? 

A:ほら、水曜日の「たんぽぽ体操教室」に来ないでしょ。腰でも悪くしたんじゃないかって。

B:違う、違う。実はね、体操よりもいいもん見つけたのよ。電気椅子。

A:あれま! 土屋さんって、死刑囚?

B:うぎゃ、違うってば! 電流が通ってる椅子に座るのよ。血行が良くなるって。

A:あー、あれ。電位治療? 知ってる、知ってる。ミチヨさんも行ったって。

B:いいのよー、あれ。腰痛も治ったしさ、白髪いっぱいだったのに、ほら、黒々!

A:ほんとだ! 染めてないわけ?

B:あんたもさ、行ってみなさいよ。20分座るだけだから。

A:了解! ところでさ、新しくできたスーパー「アオキ」。もう行った?

B:行ったわよー。ポイント380点も溜まったもん。キャッシュバックしてくれるって。

A:うそ! キャッシュバック? じゃ、明日からあっちで買おうかな。

B:でもさ、あそこ、高いのよね。けっこう高級品を置いてるから。

A:らしいじゃない? そういえば刺繍教室でいっしょの奥さんが言ってた。高いって。

B:そう、伊豆の「紀ノ国屋」。伊東の「FOO:D magazine 六本木ヒルズ」だって。

A:すごいじゃない! 成城石井? ザ・ガーデン自由が丘? すごいわねー!

B:ところでさ、奥さん。息子さん、どうした? 今年も浪人? 二浪だっけ?

A:三浪! ほんとバカ息子でさー、アタマ痛いのよ。偏頭痛ずきずき。

B:三浪? じゃ、ほんとにバカってこと? あらら、三浪だって。

A:よしてよ、奥さん。三浪三浪って大声で。みっともないじゃない。

B:ごめんねぇ。あは、あはは、あはは。

あははははー、あは、あはは。

あはは、あはは、あはははは♪

(店内に響くふたりの明るい笑い声、声、声)


大混雑しているスーパーの通路で長々と立ち話するオバサン2名。無敵艦隊。

別れ際、オバサンAは言った。

今日、帰ってくるのよ。バカ息子が。

彼女を連れて来るんだって。

受験生なのに、まったく何やってんだか。

息子が好きなのよ、トマト。

うっかり買い忘れちゃってさ。

うれしそうに、うれしそうに、オバサンはいくつもトマトを買っていた。

私は買いもしないメロンを品定めするフリをして、二人の立ち話を聞いていた。

ということは合計3台のカートが通路を遮断していたことになる。

お急ぎのところ、みなさーん、すんませんでしたぁ。ぺこり。

●三浪息子へ。トマトをいっぱい食べて来年こそ合格してほしい。by りこぴん



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