相変わらずレンタルDVDで映画を観ています。
ごく最近では「ターミナル」と「隠し剣・鬼の爪」。
キム・ギドク監督の「春夏秋冬そして春」は1枚しかないので、いつもレンタル中。
大収穫は「隠し剣 鬼の爪」。山田洋次監督の時代劇「たそがれ・せーべー」につづく第2弾。
主演・永瀬正敏。彼がうまいんだなー、いいんだなー。
貧乏ヒラ侍の哀愁と矜持、ひたむきな恋心を、みごとに見せてくれた。
こんなにうまいとは知らなかった。
あらゆる賞を独占した「たそがれ・せーべー」より、こっちのほうが好きだ。
自分に正直に、つつましく生きる。時代の変化に戸惑いながらも、侍の誇りだけは捨てない。
永瀬正敏は「下級武士・片桐宗蔵」そのものだった。
剣の師匠である「戸田寛斉=田中眠(ほんとはサンズイ)」が、今回も素晴らしい。
舞踏家ならではの腰の強さと脚力で見せる剣さばき。惚れ惚れしました。
山田洋次の映画と聞くと、すこしヒイてしまうけれど、これは良かった。
で、タイトルの「隠し剣・鬼の爪」。意味がわからんでしょ。
映画を観た人しか、わからないと思うよ。
これ、すげーもん。必殺仕置き人も真っ青だ。0.00003秒!
献血しすぎてドライアイになり、血も涙もない私だが、
あるシーンで、どうってことのないシーンで、じんわり涙がにじんだ。
血も涙もない鬼のような坊主が、うっすら涙ぐむ。
「隠し剣・鬼の爪」は、そんな映画です。