まえ  つぎ 日記INDEX

2005年5月14日 隠し剣・鬼の爪


おめぇってヤローは、血も、涙も、ねぇのか!


はい、献血しすぎてドライアイになりました。




相変わらずレンタルDVDで映画を観ています。

ごく最近では「ターミナル」と「隠し剣・鬼の爪」。

キム・ギドク監督の「春夏秋冬そして春」は1枚しかないので、いつもレンタル中。

大収穫は「隠し剣 鬼の爪」。山田洋次監督の時代劇「たそがれ・せーべー」につづく第2弾。

主演・永瀬正敏。彼がうまいんだなー、いいんだなー。

貧乏ヒラ侍の哀愁と矜持、ひたむきな恋心を、みごとに見せてくれた。

こんなにうまいとは知らなかった。

あらゆる賞を独占した「たそがれ・せーべー」より、こっちのほうが好きだ。


自分に正直に、つつましく生きる。時代の変化に戸惑いながらも、侍の誇りだけは捨てない。

永瀬正敏は「下級武士・片桐宗蔵」そのものだった。

剣の師匠である「戸田寛斉=田中眠(ほんとはサンズイ)」が、今回も素晴らしい。

舞踏家ならではの腰の強さと脚力で見せる剣さばき。惚れ惚れしました。

山田洋次の映画と聞くと、すこしヒイてしまうけれど、これは良かった。

で、タイトルの「隠し剣・鬼の爪」。意味がわからんでしょ。

映画を観た人しか、わからないと思うよ。

これ、すげーもん。必殺仕置き人も真っ青だ。0.00003秒!


献血しすぎてドライアイになり、血も涙もない私だが、

あるシーンで、どうってことのないシーンで、じんわり涙がにじんだ。

血も涙もない鬼のような坊主が、うっすら涙ぐむ。

隠し剣・鬼の爪」は、そんな映画です。



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