まえ  つぎ  日記INDEX
●2006年1月17日:あんきも


贔屓にしている和食屋「ふみ」で、あんきもをご馳走になった。

北茨城の漁港で揚がった本場アンコウの肝、あんきも。鮟肝。

あんこうは「東のあんこう・西のフグ」と言われる冬魚のチャンピオンだ。

食べられないのは骨だけで、食べる部位を称して「七つ道具」というらしい。

肝、とも(手羽、腕、または胸びれ、尾びれ)、ぬの(卵巣)、

柳肉(身肉、頬肉)、水袋(胃)、えら、皮。

なかでも「あんきも」はフォアグラよりも美味しいという人もいるわけで、

そりゃー、うまかったです、はい。うますぎて立ちくらみしました。

あの濃厚な旨みが舌と食道を驚愕させながら胃の中にじんわり融け下っていく快感。

しばし、あんきもの余韻に陶酔。あんきもぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!

アンコウ、きみの外見はとても魅力的だが、中身はそれ以上だ。

なんつーのかな、冬の底力を味わうとでも言おうかな。

とにかく、きみは、うまい!

あんきも、きみは、うまい!

「あんきもは、うまい!」をふまえて。

映画「ダニー・ザ・ドッグ」を借りにツタヤに行った。案の定、オールレンタル中。

小柄なジェット・リーも好きだが、観たいのはモーガン・フリーマン。

アカデミー賞助演男優賞を受賞した「ミリオンダラー・ベイビー」が記憶に新しいが、

今回は盲目のピアニストを演じている。←レイじゃないよ。

モーガン・フリーマンを観て気持ちがいいのは、彼の抑えに抑えた演技だ。

あくまでもワキに徹しながら、実力以上のチカラをふっと見せてしまう凄さ。

決して目立つルックスでもない。ことさら自分を強調しない、さらりとした自然体。

いぶし銀の風貌、諦観しながらも強い瞳、哲学的な深いシワ。

ぶっきらぼうなセリフ回し、ともすれば主役を食いかねない静かな演技。

しかし、彼は主役を主役として引き立てるために寸止めをしている。

自分は「サイドポジションの男」であることを忘れない。きちんとわきまえている。

モーガン・フリーマンは、すごい! すごぉぉぉぉーーーーく、うまい!

主役のときも、ましてや脇役であっても、つねに前へ出てくる、

ちょーウザッたいジャック・ニコルソンとは対極にいる人。

ニコルソン主演のアカデミー賞受賞作「カッコーの巣の上で」を、

あれはニセモノが演じたニセモノの映画だ!と看破したのは私が知る限り淀川長治氏だけ。

いまやジャック・ニコルソンは、ハリウッドの「権威」であり「フォアグラ」になっているが、

モーガン・フリーマン、あなたは「○○○○」のような人だ。

さあ、ここで問題です。

「あなたは○○○○のような人だ」にあてはまる言葉を次の3つの中から選びなさい。

1:あんきも

2:エスキモー

3:北茨城出身


答えは90秒後!


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