●2006年1月6日:雪景色
えー、多くの読者からメールが殺到。ちゃんとした雪景色を見せてほしい。
はい! サービス精神あふれる私は、ようやく雪がやんだ午後4時、
長靴にカンジキを付け、厚手のダウンジャケットを3枚重ね着して、
南極探検隊が愛用している南極ホカロンをモミながら撮影に出かけた。
新雪を踏みしめ徒歩10分、伊東パークゴルフ場。みごとな雪景色が広がっていた。
天候が急速に回復してくる。雲間からのぞく微光は、実に繊細。
誰もいないコースに入って撮影開始。ご覧ください。
ほんとうに伊豆高原に大雪が降ったんですよ。積雪15cm。
この鉛色の空には4月の息吹が隠されている。赤いフラッグはそのことに気づかない。
天敵である雪の急襲に為す術もなく項垂れている。
色づく風がすべてを一新する陶酔の季節まで、あと100日。
桜の花びらが天に舞い上がる季節まで、あと100日。
水彩画のような空が広がっている。
新春を祝う極上の光り。清明という名の水色。
憂色が混じる余地など微塵もない1月5日の希望色。
敷き詰められた白銀の下では、あらゆる生命が出番を待っている。
揚羽蝶や蝉の幼虫たちは、早くも春の吉兆を感じて、もぞりと動いたかもしれない。
コース脇に植え込まれたチューリップの球根は、一気に体積を増したかもしれない。
18ホールを艶やかな緑で彩る芝生は、鋭い葉先を4月の方向に向けたかもしれない。
豪雪地帯の人々を苦しめる残酷な雪であっても、
温暖辺地の人間を驚かせる剽軽な雪であっても、
春は雪の中から生まれる。