●2006年3月27日・月曜日からはじめよう
6~7分咲きの桜が匂い立つ、甘ったるい曇天。 年度末最終週の月曜日。 お父さんはただでさえ忙しいのに、 松戸に引っ越すことになった長男のために、4tトラックを借りた。 男っくさい衣類や「絶対に開けるなよ!」と息子からきつく言われた段ボールが、 なんだか生々しくて、気になって気になって、いつも以上に疲労困憊。 とは言っても、久しぶりに息子と話せたし、横顔が逞しくなったようで、 お父さんは、とてもうれしいわけで。 ああ、いい汗かいたなとつぶやいて飲み干すビールのうまいこと!
と、休む間もなく、本日月曜日もお引っ越しですよ、お父さん。 昨日、息子に負けまいと、冷蔵庫と洗濯機と食器棚を同時に持ち上げたら、 腰がズキンと疼いたけれど、なにくそ負けるもんか、 こう見えても若い頃はハンマー投げの選手だった、お父さん。 ←てっきり重量挙げだと思ったぜ 西日がまぶしい二階角部屋まで一気に運び上げた。
できることなら「クロネコの独身引っ越しパック」を頼みたい。 できることなら「ペリカン新生活応援・激安セット」を頼みたい。
今日という日は、特別な日。 明日という日は、明るい日と書くのね。 明後日という日は、漢字三文字なのね。 幼い頃から病弱だった三女が看護学校に、めでたく合格。 よくぞここまで育ってくれたと感無量。知らず知らずに涙があふれる、お父さん。 ずきずき痛む腰に鞭打って、4tトラックで連日のお引っ越し。
じゃ、お父さんは帰ろうかな。 と、三女が、すっと手を出した。 お父さん、すぐ意味はわかったが照れてしまって、もじもじ。 それでもしっかり握手をした。はじめてだった。娘の手は小さくて温かった。 ありがとう。がんばれよ。 親子だから言わなくてもわかる、美しいふたつの言葉が、 見えない光となって、父と娘の心をいっぱいに満たした。
出て行く人がいる、見送る人がいる。 不安な人がいる、応援する人がいる。 桜の頂点を心待ちにしている月曜日。 誰かが新しく始めようとしている月曜日。 3月27日、ほぼ完璧な月曜日。
★追伸 お父さんへ。 あのとき差し出した手は、握手じゃないよ。 お小遣いをくれって意味さ。わかんねーかな。 いきなりムードたっぷりに握手なんかされて、まいったよ、おい。 仕送りだけは忘れないでね。ばいびー♪ (^_^) (*^_^*) (*^_^*) m(_ _)m (^_^)
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