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5月20日:観光写真


きのう、旅行の写真が上がってきたから、焼き増してアンタにもあげるね。


デジタルカメラ全盛のいま、

「写真が上がってきた」とか「焼き増しする」という言葉は、ほとんど死語に近いのではないか。

ましてやDPEなんて、ナニ、それ?

フィルムカメラは、プリントUPされて来るまでに、

楽しかった旅をもういちど反芻する時間を与えてくれた。

昔は、記念写真を見るまで旅は完結しなかったのだ。

ところがデジカメときたら、旅先で、その場で、見られる。見てしまう。

写真がプリントされて来るまで、旅の記憶を静かに醗酵させて上質な想い出に変換していく。

あの町の風や光り、匂いや佇まい、人々の表情や言葉、食べ物、味と香り。

そうしたものをゆっくり脳に焼き付けていく、二度目のバーチャル旅行。

デジタルは、そういう時間を与えてくれない。

デジタルに、余韻はない。


普段、デジタルカメラを使っているが、フィルムカメラも併用している。

古い世代なので銀塩写真のみごとな解像度を捨て切れない。

それにフィルムカメラは、ときとして驚くべきディティールを写すことがあるが、

デジタルカメラは物事の上っ面しか写さないような気がする。

テレビのコメンテーターに、そっくり。


昨年の夏、ガールフレンドのR子さんと、パリに行ったときの写真です。

まあ、見てください。

フィルムカメラの、すごさを。

これです。

写真の彼女、20代に見えますが、実はいいトシなんです。



どうです? 

せいぜいが500万〜800万画素くらいのデジカメなんぞ話にもならんでしょ。

ついでに「忘れ物の写真」を見てください。



どうでもいいけど、フィルムカメラは、写りすぎ!



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