前号  次号  日記INDEX  伊豆高原TOP
6月20日:夕陽が丘3丁目12番6号


明日21日、「LOST・シーズン1」レンタル開始。 ←くりっく♪ 8分を超える予告編が見られます

さあ、行かねば、行かねば、ツタヤに行かねば! 

うーさん、これはおもしろいよって、ツタヤの薄毛店長が太鼓判を押した。ぽん♪

店長と私は、作品・監督・俳優などの好みが似通っていることがわかり、

平日午後などの空いた時間に話し込んだりする。

彼の映画を観る視点は実にシャープだ。前田有一氏といい勝負かもしれない。

一昨日、とくに観たいわけではなかったが、

ALWAYS/三丁目の夕陽」を借りに行ったら(←オールレンタル中)、

なんと陳列レイアウトがすっかり変わっていて、びっくり。

いつもなら「洋画新作コーナー」をチェックして、

「まだまだ新作コーナー」へと横移動して行き、見逃している作品がないか確認する。

つづいて最下段にさりげなく置いてある、ミニシアター系の作品を、矯めつ眇めつ。

洋画コーナーにソソる作品がなければ、日本映画のセクションに移動する。

こういうツタヤならではの一連の流れがあったのに、なんだか調子が狂う。

ほかの人も戸惑っているらしく、うろうろ、まごまご、おろおろ。

店内のあちこちで客同士がぶつかって、小競り合いが起きていた。

このままいくと暴動あるいは民族紛争に発展しそうな気配で、

へたすればテポドン2号を発射しかねない。

おお、そうだ。客同士の喧嘩など、どうでもいい。

肝心の「ALWAYS/三丁目の夕陽」が、どこにもない。

DVDを月20本以上借りる私は、ツタヤのすべてを知っている。

どこに、どんな作品があるか。いま、どれがオススメか。バイトの店員より詳しい。

その私が恥を忍んで聞いた。


「夕陽が丘3丁目」は、どこにありますか?

一瞬、迷ってから、若い店員は答えた。


駅前から西伊豆・松崎町行き12番のバスに乗ってください。

終点が「夕陽が丘3丁目」です。

とにかく夕陽がきれいな町。

とにかく海も空気も山もきれいな町。

とにかく若い女性も若くない女性もきれいな町。

町民は、とても親切で、古き良き日本を見るようです。

町全体が、まさに昭和33年。

いつも、いつも、ALWAYS、静かに夕陽が沈む町です。

きょうは、こういうオチになったわけか。

うぉい!


世間知らずの若い店員に私は諭すように言う。

あのね、キミが親切に教えてくれたのは、西伊豆のイチ町名じゃん。

確かにロマンチックな町だよ、あそこは。

やがては恋人岬より人気スポットになるかもね。

愛と健康の伊豆半島ウエストサイド、夢と希望のニュータウン「夕陽が丘」。

郊外型スーパーやファミレス、ケーキ屋とか薬局が続々出店!

知ってるよ。不動産のチラシ、見たもん。

できることなら住みたいよ、そういうとこに。

だけどさ、違うっつーの! 

オレはね、別に新居を探している新婚さんじゃないわけよ。

ごく普通に純クンが出てる映画「夕陽が丘3丁目」を借りたいわけよ。新作2泊3日で。

純クン、知ってるだろ? 知らね? 驚きじゃん!

「北の国から」の純クンだよ。五郎さんの息子、蛍ちゃんのアニキ、知ってるだろ?

最近は寒いとこがイヤで、南の島で診療所を開いたりしてるよな。

あんだー・すたん?

材木屋のナカちゃんが好きです。

地井武男かよ! チイチイかよ。マニアだね、あんた。 したっけ、ナカちゃんチは材木屋だよ。

オレが言ってるのは、よ・し・お・か! 吉岡秀隆! 純クン! 


若い店員は、ハッとした表情で私を見た。頭頂部を見た。申し訳なさそうに謝った。

あなたは伝説の映画評論家&日記作家のWOOさんですね?

店長から聞いています。くれぐれも粗相のないようにって。

西伊豆の夕陽が丘を説明しちゃって、すんませんでした。ぺこり。

でもね、WOOさん。あれは「夕陽が丘3丁目」じゃなくて「三丁目の夕陽」ですから。

が丘全体が夕陽に包まれるわけではなくて、

三丁目あたりに夕陽が沈む、それだけの映画です。

甘っちょろいノスタルジック大好き団塊オヤジ向け懐古ムービー。


私は「夕陽が丘3丁目」と思いこんでいた。マジで。

そりゃ、店員もまごつくわけだ。申し訳ないことをしました。ぺこり。

だがな、ワケーの。よく聞きなさい。

仮にもツタヤでバイトしているなら「夕陽」と聞いただけで、

間髪入れずに「ALWAYS・・・」をパッと持って来る。

それがツタヤマンの反射神経ってもんだろ。な、な?

内容はともかく話題作なんだろ。

昭和33年の東京に行きたいのに、西伊豆・夕陽が丘の物件を案内をされても困るよ。

でも、キミは「観光こんしぇる寿」としては合格。おみごと♪

目覚ましい変貌と進化を遂げつつあるツタヤと店長とバイトくん。

さらなるご健闘を祈ります。

明日、一番で「LOST」借りに行くから、よろぴく。


前号  次号  日記INDEX  伊豆高原TOP


inserted by FC2 system