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●6月7日:ダイエーに勝った食料品店の物語・第3回「オレンジビーチ編・海の家」
6月4日、伊東オレンジビーチが海開き♪ 梅雨入り前にいち早く海を開きましたよ。おーぷん・ざ・せさみ! どうです、早いでしょ? で、この件について伊豆新聞がいいことを言っています。
いち早く海開きしたと言っても、 海の家は建設が始まったばかりで「鉄骨むきだし」だし、 監視員もいないし、砂浜は荒れ放題だし。 これで海水浴客を呼ぼうというのは少々図々しいのではないか。 本格的な海水浴シーズンはずっと先だからと、タカをくくっているのか。 タカをくくる。鷹を飼う。まったく別の意味である。 なかには6月の肌寒い海で泳ぎたい!という家族がいるかもしれない。 いや、そういう変わりモンは、どこにもいる。 今年こそ、お隣のアケミちゃんちに負けないように、 梅雨入り前に伊豆の海に来たけれど、水温が低くて唇は紫色。さむエボ、ぶつぶつ。
海の家が、ない!
海の家が、ない!
海の家が、ない!
おでん、カレー、ラーメン、浮き輪、サンオイル、水着、シャワー室、そんなものは、どこにもない! 海の家が、どこにもない! 悄然としてオレンジビーチに佇む若い家族。内訳=21歳・19歳・2歳・3ヶ月。 その横を野良犬がそうっと通りすぎ、野良猫が薄ら笑いを浮かべている。
雨でも曇り空でもいい。天気が悪いことは最初から覚悟して来たんだ。 でも、でも、でも、海開きしたからには、それなりの体勢を整えてくれよ。 まだ少ないけれどお客さんを迎える意気込みを見せてくれよ。 サービスってモノをさ、少しでいいから見せてほしいわけよ。 オレっちはさ、確かに名もなきイチ家族だよ。ンなこと、わかってるよ。 たかが4人くらい遊びに来たって、海の家は儲からねーだろうよ。 わかってるよ。わかってるって言ってんじゃん。 だけどよ、子供が寒くて震えてたらさ、あったかい飲み物とかほしいじゃん。 飲ませてあげたいわけさ。ラーメンだって食わせたいじゃん。 海水浴に来て、ラーメンを食わないなんて聞いたことないもん! それじゃ、クリープを入れない午後の紅茶じゃん。 前代未聞だぜ。課長に何て言い訳すりゃいいんだよ、ええ? 「海の家がありませんでした」ってか。 そんなの通じるわけねーじゃん。ウチの課長、疑い深いんだよ、知ってるだろ。 アタマ古いから海の家=ラーメン。直結してんだよ。 だから海水浴に行ってラーメンを食べないなんて、ぜってぇー、課長には通じない! これが原因で、もしもだよ、もしも隠岐の島にトバされたら、アンタ責任取ってくれる? 何でオレが、ラーメンを食わなかったばっかりに、隠岐の島に行かなきゃいけないんだよ。 ぜってぇー、やだ!
これ、奥さん。エミつーの。よろしくな。ゼクシー読んで知り合って、見合い結婚。 オレたち家族はさ、観光地に大した金を落とさないよ。 だけどさ、世界中にいるオレんちの親戚全員(600万人くらい)に声をかけたら、どうなる? 伊東オレンジビーチは最高だ! ニースの300倍素晴らしい! って。 伊東オレンジビーチの砂はゴミがないから気持ちがいい! 観光客にも足の裏にもやさしい海岸だ って。 海の家には、甘酒も、湯たんぽも、点滴もある。 伊豆で泳ぐなら伊東オレンジビーチ。何はなくともオレンジビーチ。 かもん・べいびー、蜜柑海岸♪ こんなふうに宣伝したら、伊東市は600万の親戚で溢れかえるよ。
人、人、人、人、人、牛、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、 人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、 人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、犬、人、人、 人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、 人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人。
人が多すぎて、伊東線の電車が重量オーバーで動かない。 人が多すぎて、伊東駅から伊東オレンジビーチまで徒歩5週間。 人が多すぎて、海が見えない。波が見えない。魚が見えない。砂浜が見えない。 人が多すぎて、多すぎて、多すぎて、海の家が見えない。そこまでとても辿り着けない。 人が多すぎて、またもラーメンが食べられない! どうよ、すごい騒ぎだろ?
つまりね、何を言いたいかっつーと、中途半端な海開きはやめろってことさ。 サービスで大切なのは「まごころ」があるかどうかだろ? 夏の伊東には、そういうの、少なくなくなくない? ちょっとでいいから、ほんの少しでいいから、 胸がキュンとなるようなサービスをしてあげたい。
伊東を想い出すたびに心がぽわっと温かくなって、 曇り空の下で食べたラーメンの味を思い出す。 いまにも降りそうな重くどんよりとした天気だったけれど、 子供たちの表情は、ピッカピカの快晴。 秋でもないのに誰もいない海。伊豆の海を独り占めした家族。早い者勝ちの快感。 若い家族を、心からおもてなしする。 そんなふうになると、いいね。そんなふうに、ならないかな。
砂浜に落ちているのは、花火の燃えカスと、恋の燃えカス。 これじゃ、いつもの、ふつうの、どうってことのない、ただの海じゃん!
ほかにあんまり取り柄がないので…。すんません。 by 伊東の浜辺関係者
温泉街の東端にある砂浜のビーチ。 泳いだ後はそのまま旅館に戻って温泉につかれる便利さが魅力。 海が荒れたときは、競技用プール、児童用プールのある、市営海浜プールへ。 伊東市にはほかにも、宇佐美海水浴場、川奈海水浴場、富戸海岸、 八幡野海岸、赤沢海岸、伊豆海洋公園などのビーチがあります。
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