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●7月13日:うまいもの・まずいもの
先日、ィヨコスカのS氏から、たくさんの豆腐と納豆を頂戴した。 それはもう大量で、こんなに食べられるかと心配になるほど。 こいしや食品の「健康百歳便」、HPでチェックしてください。
快適な日々を過ごし、百歳まで生きられる、健康な身体づくり。 工場から直接お届けする、新鮮で安全な大豆食品。 全国納豆鑑評会で栄えある賞に輝いた平家納豆の詰め合わせ。 北海道産、山形県産の国産大豆を使用し、ボリューム感のある粒揃いと柔らかな食感、 熟成に使用する大谷石室の天然のゼオライト効果(脱臭効果)により、納豆の臭みも抑えられて……とのこと。
どうよ? どうよ? どうよ? 我が家の質素な食卓で、ほんとうにうまい納豆に出会えたゴハンが、うれし涙を流している。 平家納豆の実直な粘りと旨味が、力強いみごとな糸を生み、 白米をたぐり寄せ、絡み合い、もつれ合い、ひとつに融け合う。 粒ぞろいの国産大豆は、植物性タンパクの王様だ。 私は古い人間なので、納豆とバナナと牛乳があれば生きられると信じている。 平家納豆は、強いのに、やさしい。 そういう底力がありながら虚心坦懐。すごいヤツだ。
豆腐は豆腐で、それぞれが思う存分個性を主張しながら、 四角四面のまじめな舌触りで、夕暮れの蒸し暑さを冷やしてくれる。 うまい納豆や豆腐は、素材が良ければどんなふうに料理してもうまい。 もめん豆腐を使ってゴーヤチャンプルーを作った。 麻婆豆腐、豆腐ステーキ梅肉しょうゆソース、豆腐のハムチーズフライ・・・・。 どれもこれも、うしし♪ うしし♪ うしし♪
翌日、おいしかったと大喜びしていた。めでたし、めでたし。 ィヨコスカのSさん、ありがとうございました。 いま、平家つまみ納豆をポリポリやりながら、キーボードを打っています。 p o r i p o r i → ポリポリ ローマ字入力
えーと、えーと、えーと。 私は池波正太郎の鬼平レシピが好きで「湯豆腐」に目がないんです。 ひとりぶんの小鍋まであるんです。私専用の鍋です。マイ鍋。 こういうとびきりの豆腐で湯豆腐をやりながら、熱燗をちびりちびり…。 12月中旬、温暖な伊豆に冷たい風が吹く頃、 ナニゲに「こいしやの豆腐」が届いたりしたら、夢のようです。 夢のようですってばぁぁぁぁぁぁーーー! 夢のようですってばぁぁぁぁぁぁーーー! 夢のようですってばぁぁぁぁぁぁーーー! ↑しつこい! by S氏
★まずいもの きょう、生涯ワースト5に軽々とランクされるような、まずいモノを食べた。 ご承知のように伊豆高原日記は無法地帯です。何でも遠慮なく書きます。 いつ、誰に、頭突きされても不思議ではありません。伊豆のマテラッティと呼んでくれい! ランチを中心に紹介した「伊豆ごはん」は、いつのまにか伊豆のミシュランと言われるようになり、 個人はもとより旅行会社のIPとおぼしき検索が毎日毎日ものすごくて、 店の場所やメニューを、もっと詳しく教えろと高飛車なメールが次から次へと。 まあ、そいうのは最初から無視しまくりですがね。
実は「伊豆ごはん」に紹介している店は、全部が全部うまいわけではなくて、 なかには味はたいしたことないが、店の雰囲気や店主の意気込み、清潔感などに惚れて掲載した店もある。 そういう店に行って「たいしたことないじゃん!」と怒られても責任持てないわけで。 さらには一般観光客のために「いわゆる観光店」も載せてありますが、 有名な観光店であっても嫌いな店は無視しています。←最良の方法かも 従ってすべてが「おいしい店」ではないんです。くれぐれも誤解なきよう。 所詮、アタマも舌もアホバカですから勘弁してください。 好きな店と、おいしい店と、ふつうの店=伊豆ごはん。
以前から噂を聞いて行きたい店があった。 伊東から稲取、河津、下田を超えて、伊豆半島の突端をめざす。 弓なりに弧を描く弓ヶ浜海岸は、白砂青松の砂浜が続くシーサイドリゾート。 伊豆の海にしては珍しく大きな波が寄せては砕ける弓ヶ浜に「青木さざえ店」はある。 伊豆の人なら誰でも知っている店、一度は食べたい「伊勢エビラーメン・1176円」。 食べましたよ、夢に見た豪華ラーメンを。伊勢エビ丸ごと入りのラーメンを。
まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい! まずい!・・・・・・・・・まっ、ずっ、いいいいいいい!
麺も、スープも、伊勢エビも、サイテーだった。 これ以上まずくできないだろってくらい、まずい! 単純にまずいのではない。不快感を伴うまずさ。いつまでも記憶に残るまずさ。 後悔先に立たない、まずさ。不眠不休の、まずさ。 その先に一条の光すら見いだせない、徹底した、まずさ。 画竜点睛を欠いても欠き切れない、完璧なまずさ。 世界63億人の97%がまずい!と答えるパーフェクトな、まずさ。 とにかく忘れたい、キミの夢なんか見たくもない、悪霊のような、まずさ。
麺は最初から期待しない。ラーメン専門店じゃないから。 問題は伊勢エビだ。 どうしたってキミが主役だろ。三船敏郎だろ? 渥美清だろ? 役所広司だろ? ジョニー・デップだろ? トム・クルーズだろ? 小粒だけど、ダコタ・ファニングだろ?
ただの薄い味噌味。そのへんのスーパーで売ってる安い味噌風味。 すっかりダシを絞り取られて「あとは年金だけが楽しみです」みたいな伊勢エビでも、 そこに身があれば、箸でこそげ落として食べるわな。 食べました。 ひとくち、…! ふたくち、…!
伊勢エビを残した。はじめての経験。伊勢エビ初体験。 スープも、伊勢エビも、麺も、ドンブリも、箸も、店の空気も、レジのおやじも、すべてがダメだった。
昼時なのに、空いていた。 海水浴家族やサーファーたちは、コンビニ・オニギリを食べていた。 潮風に吹かれながら食べる、おかかやシャケや昆布のオニギリ、 流行りの「沖縄風豚炊き込みごはん」とか「冷たいネギ醤油ラーメン」とか「黒糖わらび餅」。 そっちのほうが70000000000000億倍も、おいしそうに見えた。
店内には、私のほかに3人いた。 すぐ横のテーブルにその3人が座っている。両親と娘さん、そんな感じだった。 おとなしい家族だった。両親はテーブルの模様を見つめている。 ひたすら見ている。会話なし。親子喧嘩をしたふうでもない。 両親はともに伊勢エビ天丼! うむ、豪華だ。 娘はごくふつうのラーメン! うむ、質素だ。
手を、指を、ひらひらさせて娘に何かを伝えた。手話だ。 娘が驚く。ええ、そんなにまずいの? と聞えた。 彼女がひとくち食べてみる。 ほんとだ、まずいわね!
店を出て行く、娘さんも、ご両親も、とても悲しそうな顔をしていた。 この不味さを、手話でどのように表現したんだろう。 あまりのまずさに「ザケんじゃねー!」と激怒したのか。 休暇を取ってわざわざ南伊豆まで連れて来てくれた娘には感謝しているが、 これは勘弁してほしい、他のことなら何でもするから、この伊勢エビ天丼だけは許してくれぇ! いずれにしても親子水入らずの休暇を台無しにした、伊勢エビ天丼の罪は重い。
もう二度と、ここには来ないだろうと思った。 伊東からでも南伊豆は遠いのに福島からですか。 ほんとうによく来てくれましたね。ありがとうございます。 こういう気持ちが伊豆の食堂にあるんだろうか。 小狡い目を光らせて、その場その場のぼったくり商売で、平然と糊口をしのぐ。 そんな店が多すぎはしないか。
それでも伊豆に来てくれる人には、できる限りのサービスをして上げたい。 そして、気持ちよく帰ってもらいたい。 伊豆には、ほんとうに良い店がたくさんあります。 や、ホントだって。ホントにホントだって。アンタが知らないだけ。 とは言っても、こんなラーメンを食わされた日にゃ、誰も信じないわなー。 がっくし!
こんなことなら「いし塚」で蕎麦でも食べればよかった。 なんともトホホな木曜日、午後3時、気温28℃。 やけに蒸し暑い夜だぜ。 やけにイラつく暑さだぜ。 |