9月22日:ナスカの地上絵



静岡県立美術館で開催中の「世界遺産ナスカ展」に合わせて16日、

地上絵の代表格「ハチドリ」が隣接する芝生公園で再現された。

親子連れら約60人が参加して、ライン引き塗料で1時間半かけてハチドリを描いた。

公園一面に大きく翼を広げた「ナスカのハチドリ」が浮かび上がった。

静岡新聞より



これを踏まえて…


このニュースを聞いた伊豆高原の老人が、オレたちもやりたい!

と立ち上がったが、なにぶんにも斜面ばかりの別荘地では、適当な広場がない。

すると、おなじみの仙田老人が「困ったときはワシに任せろ」と、倉田さんを連れてきた。

仙田さんが言うには、伊豆高原在住22年のベテラン・倉田さんは「ひとりナスカ」ができるという。

みんなが固唾をのんで見守るなか、倉田さんはおもむろにシャツを脱ぎ、上半身裸になった。

…と、現れたのは、なんと! 

これです。

セナカの地上絵かよ。


みんなから激しいブーイングを浴びて、倉田老人が退場。

次に登場したのが矢崎さん。元JTB社員で世界中を巡った。

矢崎さんは大きなアルバムを持って来た。「ほんもののナスカ」を見せてやると豪語した。

それではナスカ再現というより確認するだけだが、ま、いいか。

見ましょう、見ましょう、みんなで見ましょう。


★矢崎さんのアルバムで見る「ナスカ」

まずは、コレです。 ←世界一周だぞ、飛鳥… って、ナスカ、ナスカ!

さらに、もう一枚、ナスカ時代  

さらに、もう一枚、チャゲ&…  ナスカ!

さらに、もう一枚、ナシか?  疑問形か!

さらに、もう一枚、洋梨か?  欧米か!

さらに、もう一枚。アシカ!  直立か!

さらに、もう一枚、単なるシカ! 剥製か?

麻疹と書いて、ハシカ、ハシカ!

白鹿と書いて、ハクシカ、ハクシカ! 清酒か!

気を取り直して、じゃ、これは? ネスカ・・・・。



矢崎さんのアルバムを見せられ、ぐったり、げんなり、激しい脱力感。

とうとう、まともなナスカを見ることはできなかった。

その場にしゃがみ込む老人たち。棺桶に片足を突っ込む老人たち。

と、先ほど「ひとりナスカ」を再現した倉田さんが、こう言った。


我々の力では「ナスカの地上絵」は再現できない。降参しよう。

再現できるのは、チャゲ&飛鳥とか、茄子か?とか、梨か?とか、アシカ…。実に虚しい。


どうです、みなさん。気分を変えて仙田さんチで飲みませんか?

そうしよう、そうしよう! ←全員賛成


こんな日はみんなで盛り上がりましょうよ。

そうしよう、そうしよう! ←全員賛成


一昨年のボージョレ・ヌーボーがありますよ。

おととしの? もはやヌーボーとは言えないわけで。

まあね。

ウチのカミサン(76)と同じだ。

はてな?

古(ふる)ヌーボーです、なんちゃって♪

うわっははははー! by 一同


こうして「ナスカの地上絵・再現プロジェクト」は、午前10時に立ち上げ、40分後に消滅した。

午後、老人たちは酒とツマミを持ち寄り、仙田さんチで大いに盛り上がった。

その夜、彼らはどんな夢を見たのだろうか。

きっと誰かがナスカの上空を自由に飛び回り、アンデス高地の世界遺産を鑑賞して来たに違いない。

老人たちは、身体は弱っても、ココロは昔のままだ。

吸い取り紙は新しい水を求めてやまない。


夢の中で地上絵を存分に眺めている、老人の寝言が、青年と変わらぬ感動の叫びが、

秋の伊豆高原に響き渡ると、虫たちが一斉に鳴き熄む。

虫たちは巨大なハチドリを俯瞰できない昆虫としての生涯を恥じて黙り込む。

なかには鳥ように空を翔び、地上絵を見たいと願っている、元気なスズムシやコオロギがいるにはいるが、

ほとんどの者は生命と羽根を磨り減らすだけで、冬が来る前に死んでいく。

ナスカ地上絵誕生の瞬間を目撃し、以後、ずっと見知っている月は、

見るべきものは他にある! と、したり顔で冷ややかに笑う。

お彼岸が近い、9月下旬夜のこと。



★特別付録: 地上絵1  地上絵2  地上絵3  ★おすすめ! → 地上絵4




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