まえ   つぎ   日記

2007年5月15日 ほうき・ホーキ・放棄・箒


被爆地・長崎で、ほうきの形をした小さなアクセサリーが広まっている。

平和をテーマにした民間の展示施設ナガサキピースミュージアムが中心となって、

平和の大切さを声高に叫ぶのではなく、静かに伝える手段にしたいと、

来館者に配ったり、作り方を教える体験会を開いたりしている。

名付けて「戦争ほうき」。

市民団体の女性メンバーが、湾岸戦争や自衛隊派遣に反対の意思を示そうと、

「戦争放棄=ほうき」を発案し、胸に着けたのが始まりだという。

写真提供:99里イージマ


またしても、これをうけて。


伊豆高原カーリング協会(ICA)は、長崎の「戦争ほうき」に触発されて、独自のマスコット人形を発案した。

名付けて「カーリングほうき」。

こちらは「試合を放棄」するのではなく、お掃除の「ホウキ=箒」を意味する。 ←まんまじゃん!


ご存知のようにカーリングは1チーム4名で争う。

ストーンという、ハンドルの付いた丸い石(約20kg)を、

相手チームと交互に滑らせるように投げ、ハウスと呼ぶ円の中心に近づけたほうが勝ち。

このストーンの距離を伸ばしたり、方向を微調整するために、

2名の「スウィーパー」が、せわしなく、ものすごい勢いで、氷上を掃きまくる。

ブラシという名のホウキを持って…。


伊豆高原カーリング協会(ICA)の仙田部長は、

スウィーパーが氷上を掃きまくるのと同じ動作を、どこかで見たと思った。

こんな人にどこかで会ったことがあると思ったが、なかなか思い出せなかった。


5月5日・こどもの日・午前4時。

仙田さんは5歳の子供を連れて、いつものように公園に散歩に出た。

と、真向かいに住むオヂサンが玄関を掃除していた。一生懸命に掃いていた。

毎朝毎朝掃除しているらしく、ゴミひとつ落ちていない。

それでもオヂサンは、猛スピードでホウキを動かし、玄関はもちろん町内の道という道をキレイに掃き清めている。

「掃き清める」と書いて=清掃。


仙田部長は感動した。コレだ! と思った。

誰かに言われたのではなく、自分からすすんで掃除しているのだ。

もっしかして、この人病気かも? と勘繰りたくなる熱烈な清掃行為。

掃くことが生き甲斐の人、町内の名スウィーパー、伝説のホウキ人。


昨日までの悪いことや忘れてしまいたい過去を、すべて掃き清め、洗い流して、まっさらな朝を迎えたい。

そう願うすべての人に、太陽とともに「お掃除オヂサン」がやって来る。

富士山に月見草が似合うように、さわやかな朝には「お掃除オヂサン」が、よく似合う。


2007年5月上旬。仙田さんはマスコット人形を創った。

伊豆高原お掃除ミュージアムの売店で試作品を販売。飛ぶように売れた。製造が間に合わなかった。

仙田さんが発案したお掃除オヂサン人形は、「全世界カーリング協会」のマスコットにもなった。


オヂサンは通学児童に向かって、何回も「おはよう!おはよう!おはよう!」と挨拶をするので、

「礼儀のオヂサン」と呼ばれ、いつしか大人も子供も親しみを込めて「礼礼礼のオヂサン」と呼ぶようになった。

こりゃ、ええ話やでぇ♪


お待たせしました。カーリング協会のマスコット「お掃除オヂサン」です。 くりっく♪


同じくホウキ仲間ですが、これはニセモノ魔女です。



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