まえ   つぎ   日記

2007年5月26日 黄砂大被害(りぷれい日記)


26日土曜日、初夏の陽気に包まれた日本列島は、西日本から近畿、東海、東北の広い範囲で黄砂が降り続いた。

黄砂は中国ゴビ砂漠の砂が大量に舞い上がり、偏西風に乗って日本に届く現象で、

今年は、過去5年で最大の飛散量と言われている。

伊豆半島は25日から27日朝にかけてピークを迎える見込みで、気象庁は厳重な警戒を呼びかけている。


毎年、大量の黄砂被害に見舞われる伊豆半島では、発達した西風に刺激されて連続的な集中豪砂が続いている。

伊東市防災黄砂課によると、26日朝には伊豆高原の奥地で観測史上最高の積黄砂416cmを記録した模様。

担当者は「これだけの黄砂はめったにない、ものすごく驚いている」と語った。


記録的な大黄砂で伊豆半島の生命線・国道135号線が大規模な黄砂崩れのため通行止めとなり、

伊豆高原たけのこ村集落の73人が閉じ込められ孤立状態になっている。

同日朝、屋根の黄砂下ろしをしていた仙田三郎さん(ペンション経営)が足を滑らせて落下。

アタマから黄砂に埋まったが、幸い、たいした怪我もなく近所の人々に救出された。


このほか伊豆高原の民家16棟が黄砂の重みで全壊・半壊・倒壊したほか、

伊豆鉄道は終日全面運休となり約260人の通勤通学者に影響が出た。

市街地にも黄砂が大量に降り積もり歩行もままならない状態だ。

黄砂に足を取られて、転倒、骨折、死亡する老人が続出している。


伊東市土木課は、新潟県から除雪車を借り受け、除砂車(じょしゃしゃ)に改造して復旧に全力を挙げている。

週明けから急激に気温が上昇するので、黄砂なだれに注意するよう呼びかけている。

黄砂対策本部は、同日午前、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

政府は、「伊豆半島黄砂大被害」に対して、激甚災害法の適用を検討している。


毎年、大量の黄砂に悩まされている伊東市民でさえ、

このような大黄砂は経験がないというが、どっこい、黄砂被害は悪いことばかりではない。

伊豆高原のペンション「お宿・仙田」が、大量の黄砂を利用して「砂蒸し黄砂風呂」をオープンした。

中国ゴビ砂漠からの直送黄砂は、硫黄成分が非常に強いので、身体の芯までこんがり黄色に温まるという。

支配人の仙田さんは「カレー風呂と呼んでほしい!」と語った。

こうして大量の黄砂に悩まされながらも、町は復興に向けて力強く動き出している。



●何もかも黄色に染まった伊東市の被害状況です。


伊東市内を走るタクシー


伊東市内を走る電車


伊東市内を走るランナーのスニーカー



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