●2007年6月18日 盗難、盗難、盗難!
千葉県鴨川で時価1億2千万円の黄金風呂が盗まれ、
島根県石見(いわみ)銀山特産品センターでは、店内に展示していた銀塊が盗まれ、
大分県・旧中津江村の博物館「鯛生金山」では、純金製の鯛(6000万円相当)の置物が盗まれ、
東京銀座では白昼堂々2億円相当のティアラとネックレスが盗まれ、
山形県では早くも高級サクランボ「佐藤錦」が盗まれるなど、日本全国、盗まれ放題の今日この頃。
もちろん、伊豆も例外ではない。
18日午前9時10分ごろ、伊豆高原3丁目「浴場記念館・泡姫殿」の従業員から、
店内に飾ってあった黄金の椅子(純金製・時価不明・総重量約2kg)が盗まれたと110番通報があった。
伊豆高原署によると、この椅子は男性客向けの設備器具で、大きさ縦45センチ、横57センチ、高さ50センチ。
記念館10階にあるガラス張りの「泡姫・あけみの小部屋」に展示されていた。
同署は盗難事件とみて捜査している。
被害にあった記念館は、かつては特殊浴場「ソープランド・三日月」の愛称で地元の男性客に親しまれており、
「サービス満点なのに低料金」「お茶の間までマイクロバスでお送りします」が評判を呼び、大盛況だったという。
店内では泡姫と呼ばれる特殊マッサージ技能を有した若い女性が多数待機しており、
顔写真などを参考に希望する美女を「ご指名する」システムだが、
「ほしのあき」を指名したのに「あき竹城」が現れたりして、客の度肝をヌイていたという。
特殊浴場が風俗の最先端を走り、男性客に喜ばれた時代もあったが、
観光サービスの多様化と風俗の世界的なハイブリッド化により、
いつのまにか黄金椅子の出番もめっきり減ってしまい、みるみる客足が遠のいていった。
昭和59年12月、伊豆高原唯一の「ソープランド・三日月」は経営難により廃業したが、
平成15年春、浴場愛好家の厚意により「特殊浴場記念館・泡姫殿」に生まれ変わった。
盗難に遭った黄金の椅子は、PR用の非売品で、子供や老人が自由にタッチできるように、
ケースなどには入れず陳列台(高さ約20センチ)に展示していた。
同記念館理事長・仙田浩二さん(57)は、
「黄金の椅子=青春の椅子と言っても過言ではありません」と語った。
盗まれた黄金の椅子(一般のご家庭では使いにくいです)