まえ   つぎ   日記


2007年8月-7 はちカツオ



おなじみ豪邸T氏からまたも「カツオ」を頂戴した。

5月の「初カツオ」も美味だが、8月に食べる気仙沼直送の「ハチカツオ」もうまい。

カツオ通は、戻りガツオが最高だという。

気仙沼の漁師は、カツオがどこまで行って、どこから戻って来たのかわかるという。

遠くへ行ったカツオほど全身に旨みが乗って極上の戻りカツオとなる。


三陸沖にはいろんなカツオが戻って来る。

結婚生活3ヶ月という出戻りバツイチ・カツオもいれば、

樺太は島なのか、大陸の一部なのか、わざわざ確認に行った間宮林蔵みたいなカツオもいる。


かと思えば、

出来心で毛蟹の密漁をしてたらロシア船に拿捕されて収容所に13年。

ようやく戻って来たら、すでに会社は倒産、妻子の姿もなく一家離散。

失望のあまり、イルカに姿を変えて下田海中水族館で働く「過去のあるカツオ」もいるという。


かと思えば、

1783年、嵐のためアリューシャン列島のアムチトカ島に漂着したカツオは、

首都ペテルブルグで女帝エカテリーナ2世に謁見して帰国を願い出た。

それから9年後の1792年、ようやく日本へ帰ることができた。

無事に水揚げされた気仙沼港まで、親潮戻り海流に乗ってひたすら泳いで来たという。

その後、江戸に屋敷を与えられ、数少ない異国見聞者として桂川甫周や大槻玄沢ら蘭学者と交流、蘭学発展に寄与した。

波乱に満ちた彼の人生は、小説や映画などでたびたび取りあげられている。

して、その名は、

大黒屋カツオ光太夫。



気仙沼カツオは、頂戴した晩に刺身で、二日置いてから、漬けにして、

大好きなカルパッチョ風にして食べました。

聞けば、魚も熟成させればさせるほど旨いという。

そういえば肉も同じで、限界を5日ほど超えたあたりが超美味だと三つ星シェフが語っていたが、

シロートは絶対にマネをしないように。


豪邸T氏、ご馳走様でした。

お約束した桃ですが、まだ買い出しに行ってません。

必ず行きます。お待ちください。



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