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8月03日:真夏の返還運動


8月と言えば、もうおわかりかと思いますが、

漢字が連続して14個並ぶ「北方四島返還運動全国強化月間」です。

世代を越えて 心に願う 四島返還! を合い言葉に、

北海道はもとより全国規模で返還運動が展開される予定です。

by 内閣府



さて、「北方四島返還運動」の陰で、

小規模ながらも粛々と行われている第三の返還運動をご存知ですか。

伊豆七島・返還運動!


今年も伊東市民公園に集結した327名(主催者発表)は、

炎天下をものともせず、威勢のいいシュプレヒコールを上げながら、

海水浴客で賑わうオレンジ海岸通りをデモ行進した。


帰せー、帰せー、伊豆七島!

帰せー、帰せー、伊豆七島!

全部じゃなくても、いいぞーー!

伊豆大島だけでも、いいぞー!

いいぞー!

我々は闘うぞーー! 


昭和50年、東京都が発令した、強引で苛酷で無慈悲な、

伊豆七島に近づいたら、即、抑留監禁条例」により、

伊豆の漁師は伊豆七島に近づくことができなくなった。

七島海域は先祖代々、伊豆の漁場であった。

ジイちゃんも、とうちゃんも、息子も、孫も、

みんながみんな七島近辺の漁で生計を立てていた。


それが、なんと!

黒潮流れる豊かな漁場・伊豆七島に近づくことは、今後一切まかり成らん?

 
  ざけんなよ!

  そこに島があるのに!

  ああ、無情!

  がっでむ!

  ふぁっ区・湯ー!

  ゆー・さなばびっち!


誰もが呆然とした。嘆き悲しんだ。廃業する漁師が続出した。

伊豆半島から漁師が消えようとしていた。

しかし、漁師たちは七島海域での漁をやめなかった。

いわゆる密漁である。


伊豆漁師と東京都の戦いが始まった。

東京都は監視を強めた。島に少しでも接近した漁船は容赦なく発砲&拿捕した。

拿捕=それは合掌と逮捕を足して2で割ったようなもの。

拝んだ両手に手錠をガチャ!みたいな…。

伊東船籍のアジ漁船「きんめ丸」船長、土屋道隆さん(64)と長男ヒロシさん(30)は、

15年前の夏、式根島沖2kmの海域で操業中、東京都の巡視艇に拿捕された。

当局の発表によると、土屋親子はシベリアに抑留されたまま消息不明だという。


土屋船長のお母さん(86)は、ふたりの無事を信じて、

漁港の近くで「喫茶・岸壁の母」を経営している。

来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も、

来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も、

来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も来る日も、

岸壁に立って、二人が帰るのを待ちわびている。


伊豆の漁師が中心となって結成された「伊豆七島返還組合」は、

市民運動の草分け的な存在で、世界的にも注目されており、

現在はNPO法人「七島まるごとComeback=SMC」が運動を引き継いでいる。


伊豆七島返還運動組合の鰺坂幸之助さん(86)は語る。


七島がよぉ、シマがよぉ、すぐ目の前に見えるんだぜ。

手を伸ばせば、ほら、そこに・・・みたいなぁ。

春には大島の椿がウチの庭に舞い込んで来るんだ。

それほど伊豆半島と伊豆七島は至近距離なんだよ。


誰が、どう考えたって、七島は伊豆の領土だろ?

なんで東京都のモノなんだ、ええ。 腑に落ちねーぞ、ぜってぇー!

名前だって伊豆七島だぞ。東京七島なんて誰も言わねーだろ。

タンザニアの語学留学生だって、ちゃんと「いずナナシマ」って言うぞ。

とにかくだ、何が何でも伊豆七島は、昔っから静岡県のモノなんだよ。

アンタだって、そう思うだろ?


伊豆七島は静岡県固有の領土。みんなそう信じて闘ってるわけさ。

それがよ、大島や式根島近辺で漁をすると、容赦なく拿捕されるんだぜ。

駐車違反、即、罰金!みたいなぁ。

冗談じゃねーぞ!


しかもだよ、伊豆半島から八丈島まで、こんな境界線を作りやがってよ。

これ、万里の伊豆の壁とか言うんだろ?

たまに密漁とかしてるとよぉ、巡視艇が臨戦態勢に入って威嚇射撃してくるぜ。

おっかないよー。実弾だもん。

この間だってケツに銃撃されて、いてー、いてー。

見るかい、かさぶた?


とにかくさ、島に渡った親戚や友達と会えないのが悲しいな。

国策だからって南方開拓団として乗り込んだのはいいが、

島はとんでもない荒れ地でさ、でっかい溶岩がごろごろ。

毛根ひとつない不毛の土地だ。農業なんかできっこない。

大島や式根島をブラジルだと思って、勇んで出かけた親戚は、

マラリアや黄熱病にかかってバタバタ死んだよ。


夢と希望の新天地・伊豆七島へ、れっつ・ごー♪ 


そんな宣伝文句にダマされてさ、お国もひどいことするよな。

追い打ちをかけるように、今度は七島漁業禁止条例だろ。

静岡県民は、島に渡ることもできない!

魚を獲ることも許されない!

親戚に会いたくても会えない!

南北の壁は高い、高すぎる!

伊豆から見れば、もう、七島は外国なのさ。

3年に一度、マンKYON-BON号が航行するのみ。

伊豆と七島を分断された」悲しみがお前らにわかるか、ええ?

ちくしょーーーー!

伊豆七島、一日も早く伊豆に返還されることを希望しています。


帰せー、帰せー、伊豆七島!

帰せー、帰せー、伊豆七島!

全部じゃなくても、いいぞーー!

伊豆大島だけでも、いいぞー!

いいぞー!

我々は闘うぞーー! 




近年、伊豆七島経由で東京に亡命する、伊豆の若者が後を絶たないという。by 伊豆タイムズ




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