まえ  つぎ 日記INDEX

8月25日


往く夏に、恍惚の手筒花火。

ひと夏にいろんな経験をしただろう黒コゲのニイチャン・ネーチャンが、
往く夏を惜しむように、物欲しげに、ウロウロしている伊東市のオレンジビーチ。
その砂浜で8月22日「第26回伊東温泉箸まつり」が開催された。
箸まつりとは「箸供養」のことで不要になった箸を、
高さ3mの箸供養塔に積み上げて一気に燃やす。
キャンプファイアーの大げさなヤツだ。箸さん、ありがとうございました。

毎日、毎日、お世話になってるのに気にも留めずにいました。
いつも、いい加減な箸の持ち方をしてごめんね。死んだバーチャンに叱れそうです。
今朝も悪いことをしました。サラダを食べようと突進したらピーマンがちらっと見えた。
私の箸は急旋回して、すぐ横にあるすごく美味しい浅漬けに行ってしまった。
ああ、迷い箸、ウロウロ。
バーチャンに見つからなくて良かった。

あ、いけないんだ、その箸!

●箸のマナー教室:講師・箸の坊うら旦(家元)

刺し箸:料理に箸を突き刺して食べる。
涙 箸:箸の先から汁をぽたぽた落とす。
かき箸:食器のふちに口を当てて料理をかき込む。
込み箸:口にほおばったものを箸で奥へ押し込む。
振り箸:箸先に着いた汁などを振り落とす。
叩き箸:給仕を呼ぶとき食器や食卓を箸で叩いて合図する。
移り箸:あれこれとお菜ばかり続けて食べることは「卑しい」こととされている。
持ち箸:箸を持った手で同時に他の食器を持つ。
こじ箸:食器に盛った料理を上から食べないで箸でかき回し自分の好物を探り出す。
迷い箸:どの料理にしようかと迷い、料理の上であちこちと箸を動かす。
探り箸:汁物などを食器の中でかき混ぜて中身を探る。
空 箸:箸を一度料理につけておきながら食べないで箸を置く。
受け箸:箸を持ったままおかわりをする。
寄せ箸:食器を箸で手前に引き寄せる。
指し箸:食事中に箸で人を指す。
立て箸:ご飯の上に箸を突き刺す。仏箸。死者の枕元に供える枕ご飯のときのみ許される。
箸 渡:箸ではさみあげた料理を別の箸で取ったり箸と箸で料理のやり取りをする。
くわえ箸:箸を下に置かず口にくわえたまま手で器を持つ。
ねぶり箸:箸についたものを口でなめて取る。
二人箸 :一つの食器の上で、二人一緒に同じ料理をはさむ。

一度でいいから山盛りのキャビアと、山盛りの国産ウニを並べて、迷い箸をしてみたい。


「箸まつり」のお目当ては手筒花火だ。
箸供養塔に点火され、数千本の箸が燃え上がるのを合図に、
15人ほどの男たちが順番に手筒を抱えて走り出す。

炎の花が激しく噴射する。無数の火花が身体に降りそそぐ。竜が吐く金色の吐息。

火の粉が舞い踊り、夏の男たちを祝福する。みごとな、実にみごとな、火柱の恍惚。

いつの日か、あの手筒を抱えて、満場の観衆から拍手喝采を浴びたいものだ。



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