●8月15日（金）：携帯電話とテレカ

ものすごい雨だ。ワイパーを最速にしても前方が見えにくい。

午後7時、そんな中、ある人に会うために町に出かけた。

異常な豪雨。国道が土砂崩れで寸断され、鉄道も全面運休。伊豆半島は孤立状態。

これでは観光客は帰れない。家族や関係筋に連絡する。ここで大活躍するのが携帯電話。

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ウチの携帯電話は常時車中にある。ほとんど使わないから、ほったらかしだ。

でもね、イザ、使いたいときに電池切れだったら悲しいよ。

大雨の中をJ-PHONショップを求めてあちこち走る。充電してもらうために。

夜11時。伊東の夜は早い。早すぎる。どこも、とうに店じまい。

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仕方ない、奥の手だ。懐かしいテレカを買った。

ところが公衆電話も進化しており「ICカード以外は使用できません」。ばか！

今度はテレカが使える公衆電話を求めて走り回る。ずぶ濡れ。寒い！

1000円のテレカ。20分くらいは話せただろうか。これで約束は果たせた。

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大雨の中、公衆電話でひそひそ話し込む怪しい男。

別れた妻に「縒りを戻そう。やり直そう。オレが悪かった！」と懇願しているのか。

あるいは闇金融の借金で追いつめられ泊まる場所がなくて、

1.2度しか会ったことのない知人に、一夜の宿を求めているのか。

「頼む、一回でいいからデートしない？　な、いいだろ、だろ？」。しつこい男か。

上の写真を見てほしい。相変わらず充電されない携帯電話。

左のテレカ、よーく見ると0の場所に穴が開いている。使い切ったぜ！

多少、時間は遅れても、何が何でも約束を守る男の証明だ。プロミスの男だ。

大雨の中を、走れ、メロス！