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●2006年2月19日:ほたるいか


富山の古い友人が「ホタルイカ」を送ってくれた。

冬の日本海、逆巻く荒波、見る者を凍えさせる波の花。

風、風、風、烈風、寒風、狂風、酷風、風、風、風。

びゅーーーーー!

ぐぉーーーーー!

春でも、夏でも、秋でも、どんより暗く荒れた海。

ましてや冬の日本海。内向的で暗く、協調性に乏しく、暴力的でキレやすい。

ホメたいが長所が見あたらない。内申書、どうしよう? 担任教師もお手上げだ。

そんな日本海で育ったホタルイカは、うまい!

耐えに耐えた者だけが隠し持っている、人間的な深い滋味と旨みがある。

生まれながらにして、荒くれ寒流ウェイブに翻弄され続けた人生。

3歳で両親と死別した少年ホタルイカの広志。

世間の荒波に揉まれ揉まれて、鍛えに鍛えられて、強い男になりました。

子供の頃、真夏でも毛玉だらけのセーターを着てました。

だって、ほかに着るものがないんです。

でもね、みなさん。冷たいばかりの世の中じゃありません。

親戚のプランクトンに励まされ、グレそうになるのを我慢して、

族から足を洗って、小さな自動車修理工場で働きました。

そんなある日。

映画館でばったり会ったのが、幼なじみの小魚あけみちゃん。

お互い「釣りバカ日誌」の大ファンでした。

ひと目惚れでございます。同棲、妊娠、結婚、出産、一児のパパ。

昨年、無事に成人式を迎えました。

ところが、どっこい。

幸福と悪夢は人生の裏表。

気がつけば漁師の網に引っかかり、ゴハンの上に乗っていました。

富山の海に残してきた妻と子供が気がかりです。

日本海育ちのホタルイカ。そりゃ、うまい!

ぷにょぷにょした身体に濃縮された旨み。たまらんです。

見よう見まねで自家製の塩辛を作りました。

松葉蟹も同梱されていて、なんて豪勢なんだ。

いつも気を遣ってもらってワリーね。さんきゅ、さんきゅ♪


伊豆の食卓に、梅の香りと、富山湾の風。



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