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8月13日:映画「Crash」


あちこちの門口で、乾いた樺や木っ端が燃やされ、

薄紫の煙が夕風に流されて消えていく。

迎え火、灯籠流し、盆提灯、お線香、茄子やキュウリの馬、日本の夏。

伊豆高原にも、たくさんの祖霊が舞い降りて来ました。


って、どうでもいいけど暑くね? プレ残暑ですか。残暑イブってこと?

たまっていたDVDをまとめて見た。

「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家ポール・ハギスの監督デビュー作「Crash」。

いや、おもしろかった。アカデミー賞3部門受賞。

人は理解するために、ぶつかる・・・・Crash。

ひとつの交通事故が招く思いもよらぬ「衝突と和解」の連鎖反応。

テーマがシンプルなだけにストーリーがどう展開するかと思ったら、

ああいうやり方がありましたか。さすが、ポール・ハギスだ。

マット・ディロン、ドン・チードルが、うまかった。

チェン・カイコー監督「PROMISE 無極」。

チャン・ドンゴン、真田広之、ニコラス・ツェー、セシリア・チャン。

肝心な王妃がブっサイクなので興醒め。他にもキレイな女優がいるだろうにねぇ。

いいじゃん、チャン・ツィーでも。アジアン・ビューティだぜ。

映像がきれい。ほんとうに美しい。うっとりする。

が、が、が、テーマも、俳優も、CGも、すべてが「HERO」に劣っている。残念。

真田広之、トシ取ったね。ジェット・リーはまだ若々しいよ。

冷酷な北の王子ニコラス・ツェーはハマり役だった。彼が一番良かった。

愛は運命を変えることができるのかって? 

さてねぇ。


スティーブン・ギャガン監督の「シリアナ」。

アメリカが裏でいかにして石油利権を操っているかをリアルに描いた作品。

CIAエージェント、石油産出国の王族、油田の労働者、エネルギー・アナリスト・・・。

石油を取り巻く人間を俯瞰的に描きながら、

ダーティなオイル・ポリティクスの裏側を緻密に見せてくれる。

石油を輸入するだけの日本人にはピンと来ない部分もあるが、

ハイオク160円になろうとするとき、この映画を思い出してぞっとする。

ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、クリス・クーパーほか。

にしても「シリアナ」って、どうよ?

三谷幸喜の「有頂天ホテル」。

期待したけれど、つまんなかった。

大晦日のカウントダウンに向けて、客とスタッフがてんやわんわ、いろいろな事件が起こる。

それぞれのエピソードは、ひとつに収束するようでしない。しっくりハマらない。

最後の最後に「おお、素晴らしい!」みたいなカタルシスがない。

まあ、三谷幸喜が観客を弄んでいると思えば納得できるけどね。

が、が、が! ひとつだけ、言いたい!

総支配人役の伊東四朗は、すごい!

セリフも出番も少ないけれど圧倒的なあの存在感はなんだろう。

顔を白塗りしただけなのに。

総支配人・伊東四朗を見るだけでも、この映画を観る価値はある。

西田敏行、敗れたり。

オダギリ・ジョーと香川照之の「ゆれる」がいいらしい。

あの橋を渡るまでは兄弟でした・・・か。

香川とタメでガチンコ演技するオダギリ・ジョー。

そういえば彼は「有頂天ホテル」にも筆耕係として出演していた。

ちょいハゲヅラで、無口なビジネス書家。変な存在感ありました。



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